2018年の日本列島は例年にないくらい連日の猛暑で、7月下旬にも関わらず最高気温が40度を超える殺人的な気候となっています。
そんな中「日本一暑い街」として知られる埼玉県の熊谷市で7月23日に最高気温が41.1℃を観測しました。
全国最高気温の歴史
かつて日本で最も暑い街として有名だったのは山形市であり、1933年7月25日に観測された40.8℃は長らく他の自治体にとって高い壁となっていました。
21世紀に入り、熊谷市は2007年8月16日に多治見市とともに40.9℃を観測し、名実ともに日本一暑い街の称号を獲得しました。
その6年後の2013年夏、新たな猛暑スポットが現れました。高知県四万十市北部にある江川崎(えかわさき)で、日本初の41.0℃を叩き出した場所として5年間日本最高気温の町として君臨していたのです。
2018年に熊谷市が41.1℃を記録し、単独で日本一暑い街の称号を取り戻しました。
日本一暑い街ランキングベスト10
順位 | 都道府県 | 場所 | 気温 | 観測年月日 |
1 | 埼玉県 | 熊谷 | 41.1 | 2018年7月23日 |
---|---|---|---|---|
2 | 高知県 | 江川崎(四万十市) | 41.0 | 2013年8月12日 |
3 | 岐阜県 | 多治見 | 40.9 | 2007年8月16日 |
〃 | 東京都 | 青梅 | 40.8 | 2018年7月23日 |
5 | 山形県 | 山形 | 40.8 | 1933年7月25日 |
6 | 山梨県 | 甲府 | 40.7 | 2013年8月10日 |
7 | 岐阜県 | 美濃 | 40.6 | 2018年7月18日 |
〃 | 和歌山県 | かつらぎ | 40.6 | 1994年8月8日 |
〃 | 静岡県 | 天竜(浜松市) | 40.6 | 1994年8月4日 |
10 | 山梨県 | 勝沼 | 40.5 | 2013年8月10日 |
熊谷市が暑い理由
では、なぜ熊谷市は国内で屈指の暑さを記録するでしょうか?
諸説あるとのことですが有力だとされている理由を述べます。
ひとつは、フェーン現象です。上空の風が関東平野の北側や西側の山を越えたあとに吹き降りてくることがあります。一般に地上は上空より気温が高いため、そのような風が吹き降りると空気は圧縮されて温度が上がります。この温度が上がった空気が熊谷付近に流れ込むため気温が上がるといわれています。
もうひとつはヒートアイランド現象です。熊谷から南南東へ約60km離れた東京都心から吹く暖められた風が、関東平野の奥まった場所にある埼玉県平野部に流れ込み、熱が溜まりやすいことがあるとのことです。
つまり、海からも山からも暖かい風が流れ込み、滞留することで熊谷は日本一暑い場所になりやすいということなのです。
熊谷市の気温観測は?
そんな日本一の気温が観測された熊谷市の観測所は、どこにあるのでしょうか?
気温の観測は、風通しや日当たりの良い場所で、電気式温度計を用いて、芝生の上1.5mの位置で観測しています。
また、電気式温度計は、直射日光に当たらないように、通風筒の中に格納しています。通風筒上部に電動のファンがあり、筒の下から常に外気を取り入れて、気温を計測しています。
埼玉県熊谷市では、1戸建ての低層住宅に囲まれた所に設置されていました。
広い敷地の下に百葉箱があるようです。先ほどの同一条件日本一を目指すために、わざわざ熱源の周りに移すことはしていないと思いますが、いずれにしても年々夏の気温が上がっているような気がしますね。