イベントトーク

イケハヤ×家入一真×BASE鶴岡 これからの地方におけるお金の作り方 #地方創生会議

地方創生会議において、イケダハヤトさん・CAMPFIRE代表家入一真さん・BASE鶴岡さんのトークセッションがおこなわれました。

モデレーターはNext Commons Labの林さんです。

クラウドファンディングと世の中について

林「稼ぎ方ではなく作り方だと。地方創生からそれなりに経って経年劣化が激しいですがイケハヤさんはクラウドファンディングについてどう思いますか?」

イケダ「2014年に移住した。クラウドファンディングが集まりそうな状況は多くなっている。4年前は20〜30万円で頑張ったといえたけど、今は高知の山奥で500万円集めても凄いと思われなくなっている」

家入「日本のクラウドファンディングは2011年の震災復興がキーになっている。ここ最近潮目が変わってきてお金が集まるペースが変わってきて価値観が変わってきた。クラウドファンディングは社会貢献性だと思ってきたけど『自分がやりたいことはバイトしてお金を稼げ』という風潮が多かった。10万円くらい集めろよと思ったのが今は10万円だったら1万円を10人で出そうよとなるようになった」

林「お金の価値感の違いって世代間なんですかね」

家入「世代間で違うかもしれないですね」

(会場内のほとんどの人がクラウドファンディングを1回でも支援した人だった)

イケダ「おぉ、変わりましたね〜」

林「鶴岡さんはBASEを始めたのはいつ頃でしたか?」

鶴岡「2012年5月ごろ、母親が小売店をやっていてネットで売りたいなというころでBASEを作った。BASE社自体はものを提供する概念はないですけどインターネットの普及とともに入り口を提供しようと」

林「ICOとか仮想通貨とかという話があって次のステップになっている。仮想通貨がもたらす今後の未来ってどんな風に見てますか?」

イケダ「ブロックチェーンは面白いけど触っていないんですよ。触るためにはイーサが必要ですよ。イーサのアプリを触ってみてください。面白いアプリがたくさんありますから。特に面白いのは融資・お金を貸すところではないのか。お金を借りるのは大変ですよ。これからは小口の融資がやりやすくなってこれから普及する」

イケダ「5年後10年後は気軽に借金をする。それはお金で返すのではなく違うもので返す。ここのイノベーションは楽しみでその過程で仮想通貨やブロックチェーンで返すのが当たり前だと思う」

林「この話を分かっている人と分かっていない人がいる?お金の民主化って何だろうなぁと」

イケダ「難しいなぁ家入さんに聞いてみましょうかね」

家入「ソーシャルレンディングというクラウドファンディングをやろうとしている。KIVAというサービスが面白くて貧しい国の方々でミシンがあればこの村で裁縫屋ができ家族を養える。僕らでいうと3万円って高くは無いわけですよね。3万円貯めるとミシンが溜まる。そうするとミシンが手に入る。その場合返さなければいけないけど利息は無い。1万円出したら1万円返ってくる。1回出すとグルグル巡って返ってくる」

家入「『利息ゼロだから貸すメリットってあるの?』って思うけど『僕が出したことで可視化されている』というメリットがある。これがある意味の利回りと捉えることができる」

家入「良い社会であることが土台ってあるわけですよ。犯罪が起きているとお金の使い道が無い訳で。お金を出すことによって投資信託や金融商品がある。リターンが体験だったり参加券だったり。『お金が出すんだけど返して欲しいお金』だし『利回り欲しいし』『お金あげたい』っていうグラデーションがある。アクセスがないからいろんなパターンがあるといいですね・・・今話して思ったけど距離が縮まらなかったですね」

(笑い)

林「鶴岡さん、BASEでショップコインについてお聞きしたいんですけど」

鶴岡「ショップコインが来月全ユーザーに公開される。前払い式のコインがBASEショップに作れる。これが任意の価格に使える。1円を0.8円で買って1円のものが後々買える。理由はいくつか理由があって地方でステキな工芸品を作っているとか、自分で価値を錬金している人とか自分の意味合いのお金を作った方がいいと思っていて自分なりの好きなお金を持つことがいいんじゃないかと思っている」

鶴岡「お金の価値って時間と場所とタイミングによって違っているので」

林「そのショップコインは流通させることができるんですか?」

鶴岡「今は法律的に怒られるけど将来的にはやってみたい」

林「お金って共同幻想だと思っていて、殆どの人がこれは価値があるから使っている。日本は国の信用度が高いから成り立つけど海外は国の信用力が低い。重要なのは今までの社会の枠組みのなかで基準があって、いろんな価値観があってトークンを発行できないかと考えている。2週間に廃校100校貸し切って実証実験をした。2週間だけその中で発行した通貨を作る。初めて会うときに肩書きを挙げるけど、個人が持っているリソースはもっとあるけど可視化されていない。時間あるから子供の面倒みるよ料理作るよということで別の経済圏をつくろうよと。誰が富を産むかというと「あの兄ちゃん、優しいよね」という人になる。資本家ではない」

林「AKBコミュニティで最も価値の高い人は最も情報が集まる人だと思う。そいういうアプリケーションの仕組みを始めようとしている。そういう時代を予期しているのか、どういう人が人生楽しめるかと思っていて決まった枠のルールで動いていて今後無数のルールで動いていくと思う」

イケダ「ツイッターなりSNSのフォロワー数はある程度影響力があるのはある程度楽しめると思う。5年前は信じてもらえなかったんですけど今はSNSの影響力は価値を生み出す。ツイッター的なものがブロックチェーンで動いていれば僕のツイッターで発信する権利を貸し出せると思うんですよね。僕は深夜寝てるので誰か夜中に深夜番組やって欲しいんですよね」

イケダ「これからは技術的に換金できないものが換金できるようになる。お金に換金する文化がない資産・資源・資本を持っている人が楽しめるんじゃないでしょうかね。 10年後は僕が話したことが普通になっているんじゃないかと思いますね」

鶴岡「フォロワー数とか売上に影響していると思ってなくて、一概にはいえないがBASEで成功しているのはリスクを取れる人だと思っていて、自戒を込めていうとプラットフォーマーはリスクをリスクと思わないでやっている。あとプラットフォーマーがリスクを無くしていくようにしているのでガッとやる人は成功する人が多いと思う。挑戦している人が止まってしまう人はリスクを考えている時だと思う。あとはやりたい人はやりましょうという感じですけど」

林「人間が生きていくというリスクが無くなっていますよね。そうはいってもリスクが取れないという話ですね」

家入「話は被ってきちゃうんだけど東京で『起業しろおじさん』がいる。ぼくは『居場所』は帰ってくる場所と思っていて、居場所を作ると起業する場所が出てくるんだって思ったし、最悪死なない場所をどう作っていくかというのが人生のプラットフォームということもある」

家入「『関係人口をつくる』という本↑があるけど関係性を増やしていかなきゃだめじゃんと思っていたりとか、緩やかなつながりがあると思っていて人生のプラットフォームを作っていける人が強いし小さな経済圏と呼ばれている。僕は引きこもりから起業をしたことによって居場所を作れたし、それだけではなく一人一人の生き方がロールモデルになるといいと思っている。僕はブロガーさんは否定していなくてどう還元していけばいいかを考えて欲しいと思う」

イケダ「僕は起業を意識しなくて自分でやっていけばいいんだと思いますね」

林「いろんなパターンがあって何が正解かわからない時代になっていると思う」

参加者からの質問

文化とプロダクトとサービスの関係性をお聞きしたい

林「文化を作る意識は初めからあるんですか?」

鶴岡「あるんじゃないですか?誰でもそういう意識は」

家入「目指すべき形はあって逆説的に考えていると思う」

イケダ「今までは思想が重要で思想家が革命を起こした。今はテクノロジーのほうが世の中を変えてしまう。仮想通貨は思想的で革命的であり経済学の理論的なものからポンっと出ている。スマートフォンを経由して時代の空気というか新しいモノが出てきて変わっている。テクノロジーが進化していて文化ができると人間がコントロールできることは無くなってきている」

イケダ「ブロックチェーンやAIは人間がついていってなんらかの思想が発達していくと思う。ブロックチェーンをやっている人はどういうものができるか分からなくてやっている。技術は抑えたほうがいい。新しいものが自動的にインストールされているので思想よりテクノロジーが重要」

家入「林さん新しいOSを作ろうとしているけどどんなOSをつくろうとしているんですか?」

林「僕がポスト資本主義時代のOSを作ろうとしているのはそれぞれが信じているものがあるし1つの枠組みで測るのはもったいないと思っているから。今の社会の軸のアングラにいる人が、違う世界では『そうじゃないほうにいるなぁ』と思う。ある種自分で自分の世界を作っていこうと思っている」

林「もう地方創生って言ってちゃダメですよね。地方が盛り上がっているのは結果でしかない。社会全体を見ていかなくてはいけないと思って。社会全体を見て地方はどうかという視点で見ていかなくてはいけない。自分の地元を解決したいときには解決できない時代になっていると思う。イケハヤさんがいわれていたテクノロジーに精通しなければいけないというのはそうだと思う」

既存の日銀が抵抗している背景について、テクノロジーが進めば勝手に変わっていくの?

家入「僕はみなし業者だったので降りて良かったんですけどね。うーん、そう・・・コインチェック以後だいぶ変わったと思っていて今後テクノロジーと向き合っていくことに関して前向きになったと感じている。短期的に貸金業が最終的に銀行の傘下になっていった流れに近いと感じている。仮想通貨って法律ベースで話をする人が多いんですよ。それって逆転してますよね。法律を先に考えると小さくなってしまうんですよね。CAMPFIREでもやろうとして断念しているけど、どんなふうにやっていくかを考えていく。ディスバレーのように強い言葉で戦うのが苦手で過激な言葉で変えるよりもテクノロジーからアップデートしていきたいと思っていて、1.5歩先に進んでいきたい。Polcaはまず円でやりコミュニケーションでやっていこうと実行して結構伸びている。その先にブロックチェーンでやるかどうかを見ていく」

林「どこまでヌルヌルでやろうとしていくかって感じですよね」

イケダ「ブロックチェーンは中央集権と真逆。ブロックチェーンやるなら法人を無国籍でやる。日本は完全に後進国になっている。僕の友人も海外でベンチャーやろうとしていて日本でやろうとするのは個人的にはオススメできませんね」

海外展開は考えているの?

家入「ソーシャルエンディングが始まればマイクロファンディングもできるので海外でもやってみようかなぁと思っている感じですね」

林「労働集約じゃなければ海外でやってみたほうがいいですね」

ICOの流動性をどう作っていくか

イケダ「トークンの流動性の解決方法は既にできてきている。売りたい人と買いたい人がマッチングしない。これが流動性の問題。売りたい人と買いたい人がいないと流動しないんですけどVANKERとか0xプロトコルのプレイヤーが色んなモデルがあるので勉強してください。もし地域でやるなら流動性の問題を解決してからだと思う」