夏季オリンピックのアテネ固定開催論について

(出典:hatenadiary.jp)

2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるのは皆さんもご存じの通りですが、開催まで残り3年を切りました。期待も大きくなっていますが課題もまだまだ多く残っています。

東京オリンピックに残されている課題

ざっと挙げると・・・

●来日する選手や外国人を受け入れるためのインフラ整備

五輪期間中の来場者数は1000万人にも及びます。ただでさえ過密な東京でこれだけの人数を捌くための抜本的対策は未だに決まっていません。

●インフラ整備の人手不足や資材高騰

予算が跳ね上がり建設費が高騰しているのは国立競技場や他の新規施設の動向を見なくとも明らかでしょう。新国立競技場の建設現場では若手の作業員が長時間労働を強いられ自殺に追い込まれた出来事がありました。それが人手不足に繋がることも注視しなければいけません。

●開催期間中の交通整理・選手のルート確保

オリンピック・パラリンピック開催期間中は1日たりとも休みなく競技が組まれています。平日も休日も関係ないのです。そんな中選手の円滑な輸送は欠かせません。

↑現在選手村から国立競技場への輸送ルートとして環状2号線が整備されているようですがまだ汐留から晴海に至るルートが完成していません。移転問題で揉めている築地市場があるところですね。既存の道路を使おうとすると渋滞にハマるのは必至で、一般市民の生活を犠牲にした上で一部の道路が規制されるなど、誰かにしわ寄せがきます。

●猛暑対策

この記事を書いたのが東京オリンピックの開会式にあたる7月24日ですが、朝から蒸し暑い気候でした。屋外の競技を炎天下でやることに対して選手はもちろん、運営ボランティアや観客の暑さ対策は急務です。

●バリアフリー対策

東京パラリンピックに合わせる形で、東京のバリアフリー化も進めているようです。歩道を広げて車いす同士がすれ違えるようにしたり、無電柱化して視界や人の通行範囲を拡げるといったプランが実行されています。これが2020年までに全て整備されるかは疑問です。

東京都道路バリアフリー推進計画

●テロ対策や治安悪化の防止策

海外からの訪客を多く受け入れるためには空港や街中でのセキュリティ対策も欠かせません。入国審査での規制を強化したり、駅周辺・歓楽街での監視強化が強いられます。駅ではゴミ箱が使用できなくなったり、コインロッカーが利用できなくなるなどの可能性もあることでしょう。

●五輪に便乗した過剰な開発

2週間の「お祭り」のために整備された施設が少なくないのは当然のことながら「五輪だから」と理由をつけて整備される施設も出てきています。それらはオリンピック後どうするのでしょうか?後先考えない「負の遺産」が残らないようにしないと・・・

TOKYO後の五輪は?

最近のオリンピックはとにかく資源やお金を使いまくります。2016年のリオオリンピックも開催直前で競技施設ができるのかどうか・・・など色々ありました。

「まぁブラジル初の五輪だからなぁ」と思っていたのですが、インフラ整備度が世界トップレベルの東京ですらリオと同様の課題を抱えているのです。

そんな東京オリンピックに向けての現状を見ていると、それ以降のオリンピックに手を挙げる都市は少なくなるはずです。

7月11日、IOC(国際オリンピック委員会)は秋に決定する2024年大会の開催都市と同時に2028年の開催都市も同時に行うことを決定しました。

2024年夏季オリンピックに立候補しているのは、フランスのパリとアメリカのロサンゼルスの2都市。2024年でいずれかの都市の開催を決めたら、残ったもう1つの都市は2028年に開催権を与えるようです。

パリもロサンゼルスも、先進国の大都市。つまり他の国の都市は財政難や住民投票によって最終的に辞退する状況になっているのです。

オリンピックは都市単位で開催され続けてきましたが、既に立候補段階から国家が絡まないと成功に導けないものになっています。要するに肥大化している。IOCと一部の利権者だけが儲かるものになりつつあるのです。

2028年以降の五輪は?

では果たして、2032年以降夏季オリンピックに立候補する都市は現れるのでしょうか?

というか、今のオリンピックの形態は残るのでしょうか??

ここからは私見ですが、4年ごとに開催地を移動させているから毎回のように同じ問題が起こっているように思います。ある場所に「オリンピックのための選手村」を整備し、そこで毎回開催するようにすれば、負の遺産も無くなるし何度でも使うことが可能になるのではないでしょうか。

「じゃぁそのプランに手を挙げる場所は現れるのか?」ということですが、私は近代オリンピック発祥の地であるギリシャ・アテネで固定開催したら良いのではないかと思います。

アテネでは2004年にオリンピックが行われましたが、日本円で当時1兆円をかけて会場・インフラ整備を行い財政危機の引き金となりました。大会後の施設維持に困っているのはいうまでもありません。

もし先ほど書いた会場固定ができればギリシャ自体も少しは救われるのではないかと思いますし他の国はオリンピックによる財政に振り回されることは無くなるのでは無いかと思います。

アテネは雪が滅多に積もらないので冬季オリンピックはできませんが、夏季オリンピックならば「アテネ固定開催論」は大いに議論になったらなぁ、と願っています。