三菱の燃費不正問題は何が悪いのか?車を乗らない人向けに解説するよ。

またか・・・

三菱自動車が製造していた軽自動車で燃費試験の不正が発覚しました。

当社製車両の燃費試験における不正行為について(三菱自動車・プレスリリース)

不正の内容

不正が明らかになったのは2013年6月から三菱自動車向けに生産している『eKワゴン』『eKスペース』と、日産自動車向けに供給している『デイズ』『デイズルークス』の計4車種。これまでに当社は計15万7,000台を販売し、日産自動車向けには計46万8,000台を生産しています(合計62万5,000台・2016年3月末現在)。

 

今回の燃費不正は、具体的には燃費測定に際して三菱側が行った惰行法の走行抵抗の値に不正があったということ。

惰行法とは、時速20km、30km、40kmの走行抵抗を計算で求め、近似曲線を作成するもので、膨大なデータの中央値を採用します。走行抵抗はメーカーが国に届け出したものを、そのまま国でダイナモ試験に使用する仕組みになっています。

走行抵抗は高速惰行法という形で三菱側で測定。抵抗値が実際より低い結果、燃費が実際より良い数値になる可能性があるということです。

実施部署は「第一性能実験部」とのことですが、どの程度の関与かについては社内調査だけでは透明性が無いため、外部の独立有識者で解明していきたいとのことです。

不正発覚までの経緯

2015年

8月 三菱自と日産が次期車両(ekワゴン後継と思われる)の開発を行うため、開発を日産に委託

11月 軽自動車の燃費試験を始めるため現行車1号型(デイズ)を日産側で測定したところ届出リストとの乖離がある

12月 日産側から合同で調査したいという申し出がある

2016年

2月 三菱自・日産と合同で実車の燃費を調査

3月 分析結果→走行抵抗に差があることが判明

4月 差があった理由を三菱自社内で調査したところ不正が判明

4月13日 不正の件を三菱自社長に報告

4月18日 不正の件を日産側に報告

燃費表記の重要性

現在のクルマが求められていることの1つに「燃費性能の向上」が挙げられます。

軽自動車購入時の重視点「燃費」が8割(日経Bizアカデミー)

↑こちらの記事のアンケートによると、軽自動車を購入する際に重視する点で男女とも「燃費の良さ」が8割で最多となっています。つまり、新車をアピールする際に最も重要な要素の1つが燃費数値といっても過言ではありません。

三菱自動車によると「実際の燃費は届出数値より5~10%悪くなる可能性が高い」といいます。

現行型「eKワゴン」の燃費は現在の統一基準JC08モードで1リッターのガソリンで30.4km走行すると公表しています。スクリーンショット 2016-04-20 19.02.31

「5〜10%悪くなる」という三菱自からのコメントを当てはめると、実際のカタログ燃費は27.3〜28.8km/Lとなることでしょう。

なおカタログ燃費というのは実燃費ではありません。条件にもよりますが、実際の公道を走行すれば2〜3割ほど低くなっていきます。

たとえばホンダ・S660のカタログ燃費は21.2km/L(6MT)ですが、実際にインプレッションを行った際は15.4km/Lでした。

【参考記事】
人気オープンカーS660でドライブ!まるで「大人のおもちゃ」です

このようなことを考慮したとしても、ユーザーはカタログ燃費の指標を参考にしています。燃費が29km/Lと表記されているクルマと、30km/Lと表記されているクルマでは、ユーザーの購入心理は大きく変わります。

実燃費が届かないといっても、このカタログ燃費は国土交通省による統一された基準で測定されているデータです。もし統一された基準が無ければ自動車メーカーはやりたい放題になってしまいます。

そして三菱自といえば、2000年のリコール隠し問題以降改善に向かいつつあったイメージが再び悪くなったこと、そして今回の不正で明らかなった対象車種は他社(日産)へOEM供給していたこと。さらにこの不正が発覚したきっかけが、OEM供給先である日産からの指摘だったこと・・・などが大きなマイナスを生んでしまいました。

従って自動車ユーザーはもとより、世間からの信頼を失墜させる重大な違反と言わざるを得ないことは、車を乗らない方でも理解いただけることでしょう。

 

そういえば、大手自動車メーカーのリコール隠しをテーマにした作品がありましたね。

【その後】三菱自は日産傘下へ

三菱自が日産傘下へ!提携による双方のメリット・デメリットを解説するよ。