「幕が上がる」の作者が明かす「話し言葉を書く」ことの難しさ

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劇作家の平田オリザさんといえば、日常的な話し言葉で舞台を演出する「現代口語演劇理論」を提唱し、定着させた方として知られています。平田さんはワークショップを開催することが多く、演劇を作っていく上でのハウ・ツー本として「演劇入門」を出版されていたので読んでみました。

↑(新書)とありますが、この本を書かれたのは1998年のこと!20世紀に書かれた本も、意外にKindle化されているものなのですね。その当時書かれた内容が今でも通用すると思ったのでご紹介いたします。

「話し言葉を書く」ことの難しさ 
劇作家は舞台上の役者が話すセリフを書いていき1作の「戯曲」にしていくそうですが、この行為は基本的に「話し言葉を書く」ことが劇作家という職業だけが占有してきた 仕事であるとのことです。今は劇作家に限らず、SNSの書き込みやメールをする際、ほとんどの人が話し言葉で書いています。

続けて、このように書かれていました。

近年、パソコン通信上での、会話のトラブルが話題になっている。(中略)ここでトラブルが多発し、喧嘩が絶えないのは、まだ人類が話し言葉を書く行為に慣れ親しんでいないことが原因だろう。 (中略)話し言葉を書き記すことで自分の意思を表現するというのは、意外と難しいことなのである。

↑これ、ホントそう思いますね。 なぜブログやTwitterが炎上するかという理由の1つを端的に示しているかのようです。書き手は文章を書くのがどうしても硬くなってしまい、読み手は書き手の文面でしか判断できないので、読み手から誤解を招くことは2015年現在でも起こりうることなのです。

ここからはネット上のやりとりを具体例に挙げますが、たとえば・・・

「バカじゃないの?」

↑この文を見たときに、多くの方はイラつくと思います。しかし直接人に会ってこの言葉を言われたとき、もし冗談っぽい口調で言われたりすれば優しく返答することもできるでしょうし、可愛い声をした女性にこの言葉を言わせて逆にたまらなく良かったりする方もいることでしょう。また、この文を書いた人に会って真意を聞いてみると「意外にこの人は怒っていなかった」ということもありそうです。

話し言葉を書く行為(SNSでいえばコメント)そのものは、私はダメだと思っていません。当然そのような書き込みには批判的な書き込みが現れますが、それは断片的な情報しか載っていないコメントを見る側も慎重になるべきだと思います。

馴染みの薄い「舞台」の世界が分かります
そもそもなぜ「演劇入門」という本を読んだかというと、私が「舞台」や「演劇」のことをあまりよく知らないからであります。戯曲の書き方や演出のしかた、これからの演劇のあり方について奥が深い内容となっており、舞台を観に行きたくなる気持ちにさせてくれます。

どんなに時代が進んでも、演劇という表現方法が消えることは無いのでしょう。ももクロの5人で映画化&舞台化された「幕が上がる」も原作は平田さんが書かれています。文句無しの傑作です。

>>8冊目「マンガのマンガ」映画化されたバクマン。はやっぱり原作なしには語れないでしょ! 

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