「ホンダは宇宙事業に参入すべきだ」と今だからこそ思っている理由

日吉キャンパスでHonda「大学キャンパス出張授業」開催(慶應義塾)

2015年1月7日に慶應義塾大学・日吉キャンパスの理工学部1年生対象の必修授業「理工学概論」において、本田技術研究所の山本芳春社長による講演が行われたそうです。

山本社長は「リアルなモノ創りはリアルに面白い~モビリティの未来に向けて」をテーマに、二足歩行ロボットASIMO誕生時の秘話や、Honda Jetの開発についてなど、豊富な経験に基づいたものづくりの楽しさを語り、学生は熱心に聴き入っていたとのこと。講演後は活発な質疑応答があり、パーソナルモビリティUNI-CUBの試乗会にも学生が列をなしていたそうです。

この質疑応答の中である大学生が「次は宇宙ですか?」と質問。

この質問に対して山本社長は
「本田技研の社長の伊東は「陸・海・空」の次は「宇宙」と言っていますが「社長それは駄目です。ようやく空を飛んだばかりなのに」と私は言っています(笑)。ですが実は何年か前に宇宙往還機の検討をしたことがあります。いずれ我々もそういうチャレンジをしたいですね。」
と答えたそうです。

ホンダの現実と夢
山本社長がなぜそのように答えたのかということですが、2014年に度重なる品質問題があったからではないかと私は思います。

2013年9月に発売されたフィットの1年ほどで5回も繰り返されたリコール・タカタの安全装置、SRSエアバッグの欠陥問題は2014年度営業利益の下方修正を余儀なくされるほどです。

一方でF1エンジンをマクラーレンに供給するしF1活動を再開することや、自社製ビジネスジェット「Honda Jet」が顧客に引き渡されるなど、明るい話題も少なくありません。

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(出典:www.aircraftcompare.com)

「Honda Jet」は創業者の本田宗一郎氏が1962年に航空機事業への参入を宣言してから足掛け半世紀以上のプロジェクトだったわけで、 この夢の実現へは長い道のりがかかっています。

Honda 環境 環境ドキュメンタリーFace

「ホンダは自動車メーカーだ」 と認識している方は大勢いらっしゃいます。それは間違っていないと思いますが、上述の「UNI-CUB」や「Honda Jet」のような「個人が自由に移動できる乗り物=モビリティ」のメーカーがホンダなのだと私は思うのです。

宇宙船の研究・開発を「ひっそり」始めても良いのではないか?
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(出典:nantonaku.typepad.com)

二足歩行ロボット「ASIMO」ですが、ホンダのロボット開発については1986年からスタートし、1996年12月に「P2」として初めて世の中に公表し、当時のロボット研究者を驚かせました。

つまり開発当初の10年間はロボットをやっていることなど公にはしていなかったんですね。

Honda ASIMO ロボット開発の歴史

もしホンダが「モビリティ」のメーカーであるならば、私は宇宙往還機の開発をひっそり始めても良いのではないでしょうか?

決してどのメーカーも参入できる領域ではありませんし、「ホンダだからこそ実現できるだろう」という期待もあるかもしれません。 

Honda Jetの参入を表明した50年以上前は、現在のように航空機を使って気ままに旅行できる時代ではありませんでした。そして現在、宇宙もごく限られた人間しか行けませんが、50年後宇宙が身近になる可能性は高いと思います。

ネットワークの発達により、同じ志を持っている人は集まりやすくなっています。野心的な目標を掲げる人たちが集ってコツコツ頑張っていけば、2050年ごろの世の中は劇的に変わると信じています。